人間だけが持つ言語知識。それを私たちは無意識のうちにあまり苦労もせず5~6才くらいまでに獲得します。それを可能にしているメカニズムはどのようなものなのか?言語獲得の過程はどのようなものか?先行研究で母語の獲得についてこれまでに報告されてきたことを概観しながら、人間の言語獲得の不思議について考えます。また、言語獲得に関する知識を得ることにとどまらず、先行研究を批判的に読んだり、自ら仮説を検証する方法を考えたりする研究態度を身に付けることも目指します
O'Grady, William (2005) How Children Learn Language. Cambridge University Press.を基本的なテキストとして、子どもによる言語獲得の過程を様々な言語の側面から考える。また、適宜テキストで紹介されている実験研究に関する論文を読む。授業は、履修者全員がテキストの指定箇所を読んできていることを前提とし、担当者がその内容を紹介し、全員でその内容について議論したり、疑問点を話し合ったりする。
試験(50%)およびレポート(50%)を総合的に判断する
O'Grady, William (2005) How Children Learn Language. Cambridge University Press.
Guasti, M. T. (2002) Language Acquisition: The Growth of Grammar. MIT Press.
Crain, S. and R. Thornton (1998) Investigations in Universal Grammar: A Guide to Experiments on the Acquisition of Syntax and Semantics. MIT Press.
これが絶対に正しいという「答え」が無いかもしれない問題に取り組みます。常に自ら思考しながら授業に臨むこと。また、毎回テキストの指定範囲の内容をまとめたり、疑問点を書き出すなどの予習をして出席すること。言語学(特に生成文法)の専門的な知識がなくても理解できるように進めますが、言語学に関連する何らかの入門授業を併せて履修すると、より理解が深まります。