東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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言語と人間Ⅰ(子どもの言語獲得)

  • 科目コード: 08C1507
  • 開講学期: 冬
  • 曜限: 月曜4限
  • 教室: 153
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員: 岡部 玲子

授業の目標・概要

人間だけが持つ言語知識。それを私たちは無意識のうちにあまり苦労もせず5~6才くらいまでに獲得します。それを可能にしているメカニズムはどのようなものなのか?言語獲得の過程はどのようなものか?先行研究で母語の獲得についてこれまでに報告されてきたことを概観しながら、人間の言語獲得の不思議について考えます。また、言語獲得に関する知識を得ることにとどまらず、先行研究を批判的に読んだり、自ら仮説を検証する方法を考えたりする研究態度を身に付けることも目指します

授業のキーワード

  • 言語獲得
  • 言語習得
  • 母語
  • 子ども
  • 普遍文法

授業計画

  1. ガイダンス(授業の進め方、評価方法などの説明)
  2. 語彙の獲得(1)
  3. 語彙の獲得(2)
  4. 文構造の獲得(1)
  5. 文構造の獲得(2)
  6. 文構造の獲得(3)
  7. 研究の方法(1)
  8. 研究の方法(2)
  9. 言語獲得のメカニズム(1)
  10. 言語獲得のメカニズム(2)
  11. 日本語代名詞の獲得
  12. 日本語受動文の獲得
  13. 日本語使役文の獲得
  14. 予備日
  15. 試験(未定)

授業の方法

O'Grady, William (2005) How Children Learn Language. Cambridge University Press.を基本的なテキストとして、子どもによる言語獲得の過程を様々な言語の側面から考える。また、適宜テキストで紹介されている実験研究に関する論文を読む。授業は、履修者全員がテキストの指定箇所を読んできていることを前提とし、担当者がその内容を紹介し、全員でその内容について議論したり、疑問点を話し合ったりする。

成績評価方法

試験(50%)およびレポート(50%)を総合的に判断する

教科書

O'Grady, William (2005) How Children Learn Language. Cambridge University Press.

参考書

Guasti, M. T. (2002) Language Acquisition: The Growth of Grammar. MIT Press.

Crain, S. and R. Thornton (1998) Investigations in Universal Grammar: A Guide to Experiments on the Acquisition of Syntax and Semantics. MIT Press.

履修上の注意

これが絶対に正しいという「答え」が無いかもしれない問題に取り組みます。常に自ら思考しながら授業に臨むこと。また、毎回テキストの指定範囲の内容をまとめたり、疑問点を書き出すなどの予習をして出席すること。言語学(特に生成文法)の専門的な知識がなくても理解できるように進めますが、言語学に関連する何らかの入門授業を併せて履修すると、より理解が深まります。