科長からの挨拶

 「超域文化」ということばは、現在の文化に向かい合うためには、過去、長期にわたって安定的に機能してきたいくつもの「領域」を超え出なければならいという認識に対応しています。世界化や地球化と呼ばれるグローバリゼイションの時代には、生まれ育ちに基礎を置くネイションや安定性を前提にするステートすらもが揺動しはじめます。ネイション・ステイトの地盤の上に築かれた学的領域も揺らぎ始めるのも当然と思えます。しかし超域という概念はそもそもそれを可能ならしめる領域や基礎の概念と不可分に連関しています。大学は本来、堅固な人間的学問的基礎を形成する場所です。跳び超えることに前提される危機意識と内的緊張を欠いた知的省力化とコストダウンは大学を知的デフレスパイラルに追い込みかねません。こうした時代と国家社会と学問制度にきちんと向い会える人材を育成する。それが「超域文化科学科」の基本的考え方です。 

臼井隆一郎

 

 

超域文化科学科とは

 

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