東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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言語態基礎論II (『万葉集』巻四を読む)

  • 科目コード(修士): 31M200-1070S
  • 科目コード(博士): 31D200-1070S
  • 開講学期: S1S2
  • 曜限: 水曜3限 Wed 3rd
  • 教室: 駒場14号館 603B室
  • 単位数: 2
  • 担当教員: 品田 悦一

授業の目標・概要

 『万葉集』巻第四をテキストとして解読する。同巻は従来、編纂論の立場から巻一・二の拾遺篇として取り扱われてきたが、立場をテキスト論へ移行させることにより、いっそう奥行きのある理解がひらけてくるものと予測される。容易に看取できるのは、舒明皇統歌集としての巻一・二を巻三とともに引き取り、聖武天皇一代記としての巻六へと受け渡す役割だが、年代記的配列が不鮮明な点から見ても、歴史を語るテキストとしては不徹底に出来上がっている。裏返せば、明確な歴史テキストといえる巻一・二や巻六とは異なる側面に巻四の特質がありそうに思われる。個々の歌を精読することを通してこの問題に接近したい。

授業のキーワード

  • ritsuryo codes
  • anthology as a text
  • court poets
  • 『万葉集』 律令国家 天皇 藤原氏 大伴氏 大伴坂上郎女
  • Manyoshu

授業計画

(1)巻四の構成を見わたし、要所を指摘するとともに、皇族と藤原氏・大伴氏のポリティクスという視点から問題点を提示する。
(2)問題となる歌を個別に分析。

授業の方法

「授業計画」のうち、
 (1)は品田が担当する。
 (2)は受講生が分担して発表し、討論する。

成績評価方法

 各自の発表と討論を成績評価の判断材料とする。

教科書

佐竹昭広・木下正俊・小島憲之『万葉集 本文篇』塙書房。

参考書

坂本信幸・毛利正守『万葉事始』和泉書院。

履修上の注意

活発な討論を期待する。