ピエール・バイヤールの2009年の著作Le plagiat par anticipation(『前もっての剽窃』)を読み、アナクロニックな文学史・芸術史の可能性について考える。
ピエール
・バイヤールは独自の方法論による批評を次々と著しており、その方法論は「推理批評」など5種類の系統に分類できる。『前もっての剽窃』はそのうち「先取り批評」(critique par anticipation)に属する著作である。本授業では、バイヤールの諸著作、および、本授業での問題について概説した後、Pierre Bayard, Le plagiat par anticipationを読み、バイヤール批評の特徴を掴みながら、アナクロニックな文学史の可能性について考える。
バイヤールの諸著作、および、本授業での問題について概説した後、担当を決め、上記書籍を読み進める。参加者の顔ぶれや希望によるが、できれば1回に1章ほど読んで読破し、バイヤールの提示する概念を踏まえられるようにしたい。
授業内の報告・発表および期末レポートで総合的に評価する。
Pierre Bayard, Le plagiat par anticipation, Minuit, 2009.(マスターコピーを用意する。)
特になし。
第1回の授業に出ること。週に10ページほどのフランス語の文章(特に難解ではない)を読む能力と意欲があること。できれば、あらかじめ、翻訳でよいので(『アクロイドを殺したのは誰か』大浦康介訳、筑摩書房、2001年;『シャーロック・ホームズの誤謬――『バスカヴィル家の犬』再考』平岡敦訳、東京創元社、2011年;『読んでいない本について堂々と語る方法』大浦康介訳、筑摩書房、2008年、ちくま学芸文庫、2016年)、バイヤールの批評に少しは触れておくことが望ましい。