東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
過去5、6年ほど教養学部の総合科目「翻訳論」等で初級の入門編を講じてきたが、本授業はその上級編である。(1)翻訳とは何か、(2)翻訳研究とはどのような営みかということを学ぶのが目的である。
現在の日本における翻訳研究は混沌とした状態にある。実際のテクストの分析とはほとんど関わりを持たない思想としての翻訳研究か ら、言語学的研究、作家を意識する文学的な研究、そして英文和訳の手引きにいたるまで様々であるうえに、それぞれの前提・思考法・目標が違っているのに、そのことが意識すらされないことが多い。この授業では、Translation Studiesの立場から、実例の分析を行いながら、1)どんなテクストが翻訳論の対象となるか、2)等価とは何か、3)逐語訳にはどのような意味・意義があるか、4)翻訳と解釈の関係等々問題について考えていく。
ゼミ形式で行う。
日頃の提出物、授業への貢献度、最終レポートによる。
とくになし。
授業内で指示する。
毎回、課題があり、週内での提出が求められる。