言語学諸分野の中でも、理論的な枠組が十全とは言いがたい、文字論・文字学を講義する。古今の主要な文字体系(漢字系、インド系、ギリシャ・ラテン系など)が生まれ、今なお用いられている地域である、アジアを主対象とする(北アフリカ、すなわちヒエログリフなども対象範囲となる)。またこの地域の文字は類型的に様々であるため、文字のタイプ・類型も論じる。最後に講師の専門である、西夏文字(西夏語)に関しての概説も行う。 世界の主要な文字の系統、類型、字形特徴などを修得することを到達目標とする。
受講生の関心に応じて内容を組み替えるため、この通りに授業するとは限らない。
1.言語学における「文字論・文字学」
2.文字研究のための術語・概念の解説1
3.文字研究のための術語・概念の解説2
4.文字の歴史と系統1
5.文字の歴史と系統2
6.文字の類型(表音文字を中心に)1
7.文字の類型(表音文字を中心に)2
8.文字の類型(表語文字を中心に)1
9.文字の類型(表語文字を中心に)2
10.東アジア文字概説
11.漢字系文字1(派生漢字)
12.漢字系文字2(疑似漢字)
13.未解読文字の研究-西夏文字の解読
14.西夏文字概説1
15.西夏文字概説2
講義による。
レポートによる。
プリントを配布する。
河野六郎他編著『言語学大辞典 別巻 世界文字辞典』三省堂、2001年 他は授業中に指示。
言語学、特に音声学の知識があればよいが、無くても受講可能。