東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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外国語としての日本語教育I (「全体像」をとらえるための思考法―「分類」と「定義」を考える―)

  • 科目コード(修士): 31M200-1250S
  • 科目コード(博士): 31D200-1250S
  • 開講学期: S1S2
  • 曜限: 火曜3限 Tue 3rd
  • 教室: 駒場8号館 8-315
  • 単位数: 2
  • 担当教員: 宇佐美 洋

授業の目標・概要

 「あなたの研究は先行研究の中にどのように位置付けられますか?」と聞かれて困ったことはないでしょうか。また,調査によって得られた様々な発見を論文の中で列挙したところ,「結果を列挙するだけでは論文にならない」と言われたことはないでしょうか。
 これらはすべて,「全体像がとらえきれていない」ということに基づいているものと思われます。  あなたの研究を先行研究の中に位置づけるには,どういう先行研究が存在するのか,その全体像を把握し,それらをいくつかのグループに分類した上で,自分の研究はどのグループに近いのかを考えていく必要があります。また,論文を研究結果の羅列にしないためには,得られた結果どうしがお互いにどういう関係にあるのかを把握し,研究成果がひとつの「全体像」をなすよう再構成していくことが必要になるでしょう。
 そのためには,事象を「分類する」という作業が有効と考えられます。また分類のためには,どういう条件を満たした時にどのグループに組むこむのかの「定義」を明らかにしなければなりません。
 既存の定義に従って物事を分類していくのは,基本的には退屈な作業かもしれません。しかし,そうした分類基準を自ら作っていくという作業は非常に刺激的ですし,こうした頭の使い方は,説得力のある論文を組み立てていくためには,分野を問わず有効と考えられます。
 この授業では,様々な分野で提案された「分類」の試みを学生の皆さんに収集してもらい,その整理を行うとともに,学生の皆さんの興味関心に基づいて「分類」という思考のトレーニングを行っていきます。

授業のキーワード

  • 分類,定義,体系化
  • classification
  • definition
  • systemization
  • 外国語

授業計画

(1) 学生のニーズ分析
(2) 文献購読・発表
(3) 規範・信念の分類
(4) 性格の分類
(5) 学生自身による「分類計画」の立案・実施 (6) プレゼンテーション,ディスカッション

授業の方法

学生自身によるグループ作業とディスカッションが主体となります。

成績評価方法

授業への参加状況(授業内での提出物・プレゼンテーション等含む),最終レポート

教科書

特にありません。必要あれば適宜授業内で指示します。

参考書

特にありません。必要あれば適宜授業内で指示します。

履修上の注意

この授業は,既存の「分類方法」について学ぶ授業ではありません。自分が取り組んでいる事象の全体像をとらえ,体系化してみたい,と思っている人が,自らの問題意識に沿って,自ら分類方法を作り出していく,という授業です。その際,他の参加者から得られる情報や,他の参加者との議論が極めて有効なヒントになるものと思われます。
他の参加者に対しても何がしかの貢献ができるよう,自分なりの問題意識を明確にした上で参加することをお勧めします。