『ファウスト』といえば、おそらくゲーテのライフワークが有名だが、ファウスト博士の物語はゲーテよりもずっと前から存在していた。そのゲーテも幼い頃、人形劇(マリオネット)で見て、強い印象を受けたはずの『ファウスト博士』とはどんな作品だったのだろう? ゲーテと同時代人の書いた人形劇『ファウスト』をドイツ語のテクストで読む=翻訳のトレーニングを行うとともに、最終的にはゲーテの悲劇『ファウスト』とも比較を行い、ファウスト受容の一端を探りたい。
レクラムから今年刊行されたばかりの、ドイツ・ヴァイマルのゲーテ・シラー文書館(GSA)で再発見されたゲーテの同時代人Johann Georg Geißelknecht作の人形劇『ファウスト博士』を原文で読み進める。ドイツ語文献講読演習を兼ねて、テクストを読みながら、適宜文学史的解説を加えていく。
演習形式で行う。共通のドイツ語テクストを履修者全員が読解・分析・議論する。
授業への積極性および学期末にはレポートを課す予定。詳細は授業内で説明する。
Johann Gelrg Geißelbrecht: Doktor Faust. Das Wiedergefundene Marionettenspiel. Reclam 19505 (2018) *プリント対応可能だが、比較的安価な(6ユーロ程度)文庫につき、購入を推奨する。
ゲーテ『ファウスト』(岩波文庫などから複数刊行) その他、授業中に適宜紹介する。
ドイツ語原書テクストを読むので、履修者はドイツ語中級以上の能力を持つ者に限る。毎回、原文を読み込む予習が必要になるので、それを了解した上での履修が前提条件。