東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1

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表現としての日本語I (防人歌を読み直す)

  • 科目コード(修士): 31M200-0950A
  • 科目コード(博士): 31D200-0950A
  • 開講学期: A1A2
  • 曜限: 木曜3限 Thu 3rd
  • 教室: 駒場14号館 603B室
  • 単位数: 2
  • 担当教員: 品田 悦一

授業の目標・概要

 『万葉集』の防人歌を読み直す。防人歌は過去百年あまり、東歌とともに『万葉集』の全階級的布陣の例証と見なされ、国民歌集としての万葉像を支えてきた。読みの更新を通じて認識を抜本的に変更する。

授業のキーワード

  • 『万葉集』 防人歌 戦意高揚 国民歌集
  • Man'yoshu
  • poems of coast guards
  • national poetry anthology
  • 講義形式

授業計画

 1、防人歌をめぐる問題系
 2、防人歌の前近代と近代(戦前期・戦中期・戦後)。
 3、防人制度の沿革。
 4、入隊宣誓式の想定とその問題点。
 5、戦後の防人歌享受(「旅の歌」という把握とその問題点)。
 6、防人歌のことばは「東国方言」か。
 7、大伴家持の企画と各国部領使の役割。難波津というトポス。
 8、解読1。下野国の場合。
 9、解読2。上総国の場合。
 10、解読3。武蔵国の場合。
 11、防人歌とは何か。大伴家持は防人歌に何を期待したか。

授業の方法

 講義形式で行なうが、申し出があれば受講生の発表をも妨げない。

成績評価方法

 随時課題を課する。

教科書

 佐竹昭広・木下正俊・小島憲之『万葉集 本文篇』塙書房

参考書

坂本信幸・毛利正守『万葉事始』和泉書院 東城敏毅『万葉集防人歌群の構造』和泉書院

履修上の注意

 従来のとらえ方を根底から覆す内容となる。進行を妨げることに躊躇せず、随時質問を投げかけて欲しい。