文脈自由文法は、言語学、特に文法分析における基礎的な枠組みであるが、文脈依存文法、正規文法などと合わせて、チョムスキー階層を構成する各種の形式文法、およびそれらの文法によって生成される形式言語の定義や性質を学ぶ。前半は、テキストや演習問題を通して数学的な概念の基礎を学ぶ。後半は1950年代後半から今日も続く「自然言語はチョムスキー階層のどこに属するか」という疑問を取り上げた主な論文を読みながら、実際の自然言語分析においてオートマトン理論がどのような研究の手法を可能にしているかを考える。
形式文法の種類として正規文法、文脈自由文法、文脈依存文法、制限のない文法における文法規則の定義を学び、それぞれの文法によって生成される言語の違いを学ぶ。また、文法のタイプに対応するオートマトンによる生成アルゴリズムを比較する。講義形式でテキストを読み進めながら、それぞれの文法規則を用いて言語を生成、分析してみる演習を行う。最終的には、理論言語学(統語論)において自然言語の現象を分析するための文法理論にふさわしい枠組みは何かを問う。
講義と演習
授業参加と提出された課題による
Mathematical Methods in Linguistics (1990) by Barbara Partee, Alice ter Meulen, and Robert Wall, Springer (ISBN 9027722455, 978-9027722454) Part E (Chs. 16-22)
なし
数学、言語学の予備知識は前提としない