東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
鎌倉~江戸時代における文字社会上位層の、ハレの場面における表記規範・表記習慣の一端を窺う資料として、和歌、それも懐紙・詠草・色紙・短冊に関わる書法伝書を読解していく。
表記のあり方に教養度に応じた多段階があり得、それが書き手の社会階層を反映していた国語表記体系の伝統を踏まえれば、上位層のハレの場における非合理的・因習的・衒学的表記規範の存在もまた国語表記史の重要な一側面であるという観点から、資料を読み解いていく。
和歌の書法について概説的なことを講義したのち、『歌道秘伝巻』(當流相傳短冊并色紙書様之事)を読解していく。
各回、発表者による解読とそれぞれの興味関心に基づく調査の発表、出席者による討議という演習方式で進行する。
講義形式と演習形式を併用する。
平常点(発表と討議への貢献度)による。
プリントを使用する。
廣木一人・松本麻子・山本啓介編『文芸会席作法書集』風間書房2008。
その他は適宜授業中に紹介する。
予備知識の有無は前提としない。