東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
現代の文学批評の原点とも言えるロシア・フォルマリズムの文学理論について基本的な考えを整理し、さらにフォルマリストたちの理論を批判しつつ独自の「小説の言葉」論を構築したバフチンの小説論を読む。
最初にフォルマリズムの文学理論の基本について講義したあと、フォルマリズムの文学理論の発展とも言えるヤコブソンの「言語学と詩学」を読む。後半は、バフチンの小説論の中心的な著作である「ドストエフスキイの詩学」と「小説の言葉」から適当な箇所を選んで、具体的な作品の分析も試みながら、読んでいく。
最初の2回の授業でフォルマリズムの文学理論の基本的な概念について講義する。その後は、ヤコブソン、ハフチンの論文・著作を講読していくが、同時に具体的な詩や小説の分析も授業参加者に分担して行ってもらう。小説については、バフチンが具体的に取り上げているドストエフスキイの作品を中心にする。なお、文献は翻訳を用いるが、ヤコブソンについては英語で書かれたものも用いるつもりである。
通常の授業への準備状況とレポート
フォルマリストたちの文献はプリントを配布する。
バフチンに関しては、次のものを予定している。
・「ドストエフスキイの詩学」(ちくま学芸文庫)
・「小説の言葉」(平凡社ライブラリー)
授業中に適宜指示する。