東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
国語学は近世国学における言語研究と近代西欧言語学という二つの親を持つ。 前者のうち、特に本居宣長の言語研究の影響は大きく、国語教育を通じて共有される、現代の日本語に関する一般的知識に大きな影響を与えている。 そうした日本語に関する知見を相対化する上でも、日本語研究の新たな可能性を探る上でも、その重要な源流たる本居宣長に立ち帰ることは意義深いことである。 そうした観点から、本授業では、本居宣長の言語研究を原典によって読み込んでいきたい。
概ね以下の著作を扱う予定である。
(1)古代語研究-『古事記伝』総論
(2)文法研究-『てにをは紐鏡』
(3)文法研究-『詞の玉緒』
(4)文法研究-『活用言の冊子』
・『御国詞活用抄』
(5)字音
・仮名遣研究-『字音仮字用格』
(6)字音研究-『漢字三音考』
(7)字音研究-『地名字音転用例』
(8)古典語現代語訳-『古今集遠鏡』
・『新古今集美濃の家づと』
(9)言語観-『呵刈葭』
主として講義形式によるが、資料読解の時間を多く取りたい。 資料のコピーを配布するので、受講者は講義前にめいめい読み込んでおくこと。
平常点(40%)、レポート(60%)。
プリントを使用する。
適宜講義中に紹介する。
予備知識の有無は前提としない。