東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
本演習では、社会とことばとの密接な関係への理解を深めていくことを目指す。具体的には、基礎知識習得のため、社会言語学の入門書を基本書として輪読しながら、言語変異と変化、スタイル、言語意識、言語選択、社会階級、社会的ネットワーク、実践共同体、ジェンダー、言語接触などに関する代表的な研究論文や基本的な議論に考察を加えていく予定である。受講者は必ずしも社会言語学に関する事前知識を必要としないが、「ことば」に興味と関心を抱いていることは講義の理解を深める上で役立つ。用いる文献は英書であるが、対象地域はアジアやヨーロッパなど、世界各地に存在する多言語社会、多方言社会に及ぶものであり、英語圏に限定されない。
本演習は、学生主体の輪読・議論を中心とするセミナー形式とする。予めディスカッションリーダーを決め、担当箇所を準備してもらう。発表の際、各セクションの内容を把握したうえで要約し、かつ批判的に意見を述べることが期待される。ハンドアウトも作成・配布してもらう。聞き手の学生も、必ず教科書を読み、質問を準備し、議論への活発な参加が期待されている。
授業・議論への参加、発表(ハンドアウトを含む)、課題、試験を総合的に評価。
Meyerhoff, Miriam. 2011. Introducing Sociolinguistics (2nd edn.). Routledge: London.