東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
18世紀末から19世紀初期に形成されたドイツ・ロマン主義について、哲学・文学・宗教・芸術・社会などの各分野に広がった諸相を、愛・自我・自然といったテーマを設定して考察するとともに、ロマン主義の批判をいち早く行ったヘーゲルの議論の妥当性を検討することを課題とする。
1.はじめに-全体の概観
2.ロマン主義的愛の理想
3.ルソーの『新エロイーズ』
4.ヘーゲルの哲学的断片「愛」
5.ロマン主義的愛のリアリズム
6.フィヒテの自我哲学
7.根源的自我と非我
8.Fr.シュレーゲルのイロニー論
9.ヘーゲルによるロマン主義的イロニー批判
10.シェリングの自然哲学
11.生命=有機体論
12.自然と精神の同一性と非同一性
13.ヘーゲルの自然哲学と精神哲学の体系
ドイツ・ロマン主義の諸相をそれぞれのテーマについて概括的に講義をするとともに、それに関連するドイツ語の原典資料を解読し、ディスカッションを通して理解を深めることとする。
課題レポート(50%)と授業への参加度(50%)による。
伊坂青司著『ヘーゲルとドイツ・ロマン主義』(御茶の水書房)
Sセメスター(S1S2)とAセメスター(A1A2)は連続して履修することが望ましいが、どちらか1セメスターの履修も可。