東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
この授業は中・上級者向けの音韻論の演習であり,参加者自らが進める研究のオリジナル論文(経過報告)、または最適性理論に基づく音韻論・形態論に関する最新論文を,参加者の興味に合わせてハンドアウト形式で発表し合い,互いに議論し合うことで,各自の専門を深めつつ参加者全体の知識を広げることを目標とする。
具体的には,1)検討の価値のある良質な論文を創出する技法や見極める目を養うこと,2)最適性理論のねらいや概要についての基本はもとより,多岐に亘る領域の最新の潮流を理解し,参加者の中で共有すること,3)データや分析法を検討することにより,議論の問題点や改善法など応用的な諸問題を追及しつつ,健全な批判精神を養うこと,4)発表の仕方や質疑応答を含む議論の仕方の基本を身に付けること,などを目指す。特に発表者は,論文の主張や議論を固め咀嚼した上で,批判に耐えるだけの十分なアカウンタビリティーをもって臨まねばならない。
授業は原則として発表40-50分,質疑応答40-50分,連絡事項など予備時間5分の配分で進めることとする。当然ながら,授業の評価は発表や質疑応答の仕方を見ながら,1)~4)の達成度により決められる。なお,履修希望者は「言語理論III」や「言語科学基礎論II」を履修済みであるなど,音韻論・形態論についての前提知識をある程度は持つものとする。
評価は,出席や発言など授業への積極性20%,演習(発表)30%,最終課題論文50%として総合的に行なう。