東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
シャトーブリアン(1768-1848年)の『キリスト教精髄』(1802年)は19世紀フランスの文学はもちろんのこと、社会・文化に決定的な影響を及ぼした書物でありながら、日本においてはそこに小説『アタラ』『ルネ』が収録されていること以外、ほとんど知られていない。大著の全容をとらえ、革命後の時代においてこの詩的アポロジェティック(護教論)の企図が持ちえた射程を理解することを目標とする。
シャトーブリアンとその時代をめぐる概説ののち、『キリスト教精髄』の読解を行う。同書は「教義と教理」「キリスト教の詩学」「美術と文学」「信仰」の四部からなるが、各部の代表的な箇所を抜萃して精読する。全体の構成にも目を配るとともに、同時代の社会・文化的コンテクストに照らして作品の意義を明らかにする。
分担を決めての訳読・発表による。
平常点およびレポート。
最初はコピーを配布し、参加者が確定した段階でChateaubriand, Genie du Christianisme, GF-Flammarion, 1993, 2 vol.を購入してもらう。
随時指示する。