東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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言語文化論特殊研究(10)(中英語のロマンスを読む――トマス・マロリーの『アーサーの死』)

  • 科目コード: 08C161910
  • 開講学期: A1, A2
  • 曜限: 木(Thu)2 [10:25-12:10]
  • 教室: 8号館 8-112
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員: 小林 宜子

授業の目標・概要

トマス・マロリーの『アーサーの死』は、15世紀後半のイングランドで書かれた散文の長篇ロマンスである。フランス語や英語による様々なアーサー王関連の物語を典拠とし、薔薇戦争と呼ばれる内乱を背景に生まれたこの作品は、アーサー王をめぐる物語的伝統の中世におけるひとつの到達点を示した記念碑的な作品であると同時に、19世紀以降の英詩や小説に多大な影響を与えた作品でもある。本授業では、この作品の中から、おもにアーサーの王国の栄光と没落を描いた部分を抜粋し、原語で味読する。

授業のキーワード

  • アーサー王
  • 中世末期
  • ロマンス
  • マロリー
  • 騎士道
  • 薔薇戦争

授業計画

初回は『アーサーの死』とその典拠となった先行作品、『アーサーの死』の成立の過程と時代背景について講義を行う。翌週以降は、指定された教科書の中から物語前半の "The Wedding of King Arthur," "The Noble Tale betwixt King Arthur and Lucius, the Emperor of Rome," 物語後半の "The Tale of Sir Lancelot and Queen Guenivere," "The Death of Arthur"を順次精読する。時間の許すかぎり、マロリーの作品から着想を得たヴィクトリア朝の詩や絵画も考察の対象としたい。

授業の方法

初回以外は受講者による訳読と口頭発表、およびディスカッションを中心とした演習形式の授業となる。

成績評価方法

授業への参加態度、訳読や口頭発表の内容、および期末レポートの成績を基に総合的に評価する。

教科書

初回以外は受講者による訳読と口頭発表、およびディスカッションを中心とした演習形式の授業となる。

参考書

授業中に指示する。

履修上の注意

中世末期の作品を原語で購読するが、中英語の知識がなくても履修可能である。