東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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批評理論文献講読II(8)(「語りの声(la voix narrative)」とは何か)

  • 科目コード: 08C161808
  • 開講学期: A1, A2
  • 曜限: 月(Mon)2 [10:25-12:10]
  • 教室: 8号館 8-112
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員: 郷原 佳以

授業の目標・概要

文学作品において語っているのは誰か、あるいは何か、これは、ロラン・バルトが「作者の死」(1968)の冒頭でバルザックの『サラジーヌ』を例に提起した問いだが、いまなお古びてはいない。昨年度Aタームの「テクスト分析演習」でも同様の問いを立て、バルトから始めてバンヴェニストの人称論やロベルト・エスポジトの『三人称の哲学』まで確認したが、今学期は「語りの声」という独自の概念を提出したモーリス・ブランショの文学言語論を中心に読解したい。

授業のキーワード

  • 「語りの声」
  • 非人称
  • ブランショ

授業計画

始めに、授業の趣旨、および、バルトやバンヴェニスト等の理論について概観した上で、上記のテーマに関連するブランショの論文および関連文献を読解する。読解するブランショのテクストは、 « La voix narrative (le « il », le neutre) » (1964)から始め、そこで提示される思想の淵源を辿って、カフカ論 « Kafka et la littérature » (1949),
« La solitude essentielle » (1953), « Kafka et l’exigence de l’œuvre » (1952)等へと進む予定。

授業の方法

指定されたフランス語のテクストを精読する。あらかじめ担当者を決めておき、担当者は訳文を作成するとともに、担当箇所に出てくる事項について解説できるようにしておく。

成績評価方法

授業での報告・議論および学期末レポートで総合的に評価する。

教科書

コピー資料を使用する。

参考書

 

履修上の注意

フランス語初級文法を終えていること。