東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
「言語の地勢図」という名で諸言語間の統語論的な共通性と差異を探る研究プログラムがあるが、ここでは対象も統語と意味と運用に係わるという意味で広く考え、方法論もより記述的に考えるという意味で広く捉えることにする。とはいえ、意味を中心にした言語理論の設計を共通の目標とする。今学期はとくにドイツ語を中心に据えながらも、ドイツ語、英語をはじめとするヨーロッパの言語間の対照、日本語との対照にも配慮する。個別言語学と理論言語学の双方向的な深まりを狙いとして、個別のテーマについて議論を深める。スタートとなる言語の追究と他言語との対照から一般言語学的課題が自覚できる地平に到達するために、実際の課題に取り組んでもらう。学期を通じて、参加者自らの目標を明確にしてもらいたい。その意味で「海図」の作成を題目とした。
最初に参加者のテーマ設定を進めながら、関連のテーマに取り組むためのきっかけとなる論文を読み進める。同時に、参加者は対象となる言語現象と、素材としての個別言語とそれと対照すべき言語を決めて、個別言語学、対照言語学の側面からこれまで「語学」で学んだ言語知識を超える情報を収集し、提示する。個別言語の特性と一般言語学的な関連性へと、議論を深化させていくことになる。今学期はドイツ語文法に重点を置いた構成となる。
授業への積極的な参加とレポートの提出。
参加者の意見なども取り入れながら、授業中に指示する。
Duden Grammatik