東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1

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言語情報科学特別講義I(言語記憶・習得に関する量的研究のデザイン)

  • 科目コード(修士): 31M200-1515S
  • 科目コード(博士): 31D200-1515S
  • 開講学期: S1, S2
  • 曜限: 金(Fri)3 [13:00-14:45]
  • 教室: 8号館 8-112
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員: 横山 詔一

授業の目標・概要

言語の記憶や習得に関わる量的研究の方法論を解説します。データ解析の実演(ロジスティック回帰分析のデモンストレーション)もおこないます。解析するデータは,言語の使用実態を探る大規模プロジェクトで収集されたものです。その解析結果を受講者全員で検討することにより,言語の記憶や習得に関する知見を導き出します。
たとえば,成人の同一話者(山形県鶴岡市の方言話者)38名を41年間追跡したデータを解析してみると,アクセントは生涯を通じて共通語化していく傾向にあることが分かります。人間は,言語習得の臨界期を過ぎても,第一言語の習得を生涯にわたって続けていく場合もあるのだと考えられます。海外の研究動向も参照しながら,言語の記憶や習得の研究に役立つ研究手法を学びます。

授業のキーワード

  • 言語の生涯習得モデル
  • 記憶理論
  • 横断調査と縦断調査
  • 実時間調査
  • 世代効果
  • 時代効果
  • 加齢効果

授業計画

第1部
 言語変化の研究方法:カナダ英語の場合
第2部
 愛知県岡崎市における敬語変化の大規模経年研究
 岡崎市における敬語意識データの解析と結果の考察
第3部
 山形県鶴岡市における共通語化の大規模経年研究
 鶴岡市における共通語化データの解析と結果の考察
第4部
 海外の研究動向
 トロント大学公開データの解析と考察
第5部
 学期のまとめ

授業の方法

毎回,講義形式を中心としますが,受講者全員による討論もおこないます。

成績評価方法

授業における議論への参加度と,数回程度のミニレポートを総合的に判断して,評価をおこないます。

教科書

特にありません。

参考書

『英語学習は早いほど良いのか』(岩波新書) ,バトラー 後藤 裕子 (著),2015年

履修上の注意