言語認知や習得に関する実験計画の立て方とデータ解析の手法を学びます。
文字認知,語のエピソード記憶,音声の共通語化などの研究で実際に収集されたデータの一部を,受講者全員に電子ファイルで配布します。それらを用いて,実験計画の策定,データ収集,統計分析,結果記述などの各段階で注意すべきポイントを解説します。データ解析の演示もおこないます(ただし,ここで扱うデータはビッグデータではありません)。
また,言語に関するデータサイエンスの分野でも注目されている「ディープラーニング(深層学習)」の大まかなイメージを,なるべく数式を使わないで説明します。
第1部
言語の実験科学:小規模データから推測する
第2部
文字認知の地域差:単純接触効果の都内比較や国際比較
カイ2乗検定や因子分析
第3部
語のエピソード記憶と意味記憶
分散分析(群間モデルと群内モデル)
第4部
音声の経年変化:共通語化データの解析
分散分析(混合モデル)
第5部
主成分分析(PCA)
重回帰分析
ロジスティック回帰分析
ディープラーニング(深層学習)
学期のまとめ
毎回,講義形式を中心としますが,受講者全員による討論もおこないます。
授業における議論への参加度と,数回程度のミニレポートを総合的に判断して,評価をおこないます。
特にありません。
『記憶・思考・脳』(キーワード心理学シリーズ3),横山詔一・渡邊正孝,2007,新曜社
『図解・ベイズ統計「超」入門 - あいまいなデータから未来を予測する技術 』(サイエンス・アイ新書) ,涌井貞美,2013,SBクリエイティブ