東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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言語態分析演習IV(コウルリッジとロマン主義)

  • 科目コード(修士): 31M200-1041A
  • 科目コード(博士): 31D200-1041A
  • 開講学期: A1, A2
  • 曜限: 月(Mon)3 [13:00-14:45]
  • 教室: 8号館 8-321
  • 単位数: 2.0
  • 担当教員: 大石 和欣

授業の目標・概要

サミュエル・テイラー・コウルリッジ(Samuel Taylor Coleridge)は毀誉褒貶の激しいロマン派詩人です。妻子を放置し、アヘン中毒に溺れ、著作も、思想も断片化し、中期以降めだった詩作は乏しくなっていきます。
しかし、「老水夫行」(‘The Rime of the Ancient Mariner ’)や「クブラ・カーン」(‘Kubla Khan’)など、初期を中心とした彼の詩作品はロマン主義を代表する詩として数えられていますし、ヨーロッパの人文主義を標榜したコウルリッジの知性と慧眼が詰った厖大な彼の著作には、ロマン主義のエッセンスが含まれています。
この授業ではそうしたコウルリッジの詩や著作の代表的なものを精読しながら、ヨーロッパにおけるロマン主義を捉え直します。
 

授業のキーワード

  • コウルリッジ
  • ロマン主義
  • イギリス文学
  • イギリス思想史

授業計画

第1回 9月26日(月) 序論

第2回 10月3日(月) ロマン主義と想像力- Biographia Literaria

第3回 10月17日(月) コウルリッジとフランス革命-Concione ad Populum 

第4回 10月24日(月) ロマン主義のマニフェスト?―Preface to Lyrical Ballads and ‘The Rime of the Ancient Mariner’

第5回 10月31日(月) 「他者」とロマン主義―‘This Lime-tree Bower My Prison’


第6回 11月7日(月) 失意・憂鬱・絶望のロマン主義―‘Dejection: An Ode’


第7回 11月14日(月) ジャーナリストとしてのコウルリッジ― Essays on His Times


第8回 11月21日(月) 湖水派の確執—‘To William Wordsworth’


第9回 12月5日(月)  ドイツ観念論とコウルリッジ—The Friend


第10回 12月12日(月)コウルリッジの宗教性― Lay Sermons


第11回 12月19日(月) コウルリッジとオリエンタリズム― ‘Kubla Khan’


第12回 12月20日(月) 人文学とロマン主義と国家—The Church and the State


第13回 1月7日 (土)  ヴィクトリア朝時代のコウルリッジ

授業の方法

毎回の授業は、各回、コウルリッジの代表作一点を課題として読みながら、関連する同時代の著作や時代背景について議論をしてきます。
代表作については担当者が発表し、その後議論をしていきます。関連する文学作品、歴史的史料については教員のほうで準備して、資料を配布します。
学期全体の授業の構成、具体的な進め方、また取り扱う文献の詳細については、最初の授業の時に提示します。

成績評価方法

出席態度 50%(欠席は5点減点)、発表25%、最終レポート25%

教科書

S. T. Coleridge, Coleridge's Poetry and Prose (Norton Critical Editions), Eds. Nicholas Halmi, Paul Magnuson, and Raimonda Modiano (New York: Norton, 2003).  ISBN-13: 978-0393979046

参考書

最初の授業時に示します。

履修上の注意