東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
近代文学史において歴史小説を確立したとされるウォルター・スコットの作品に始まり、近年の話題作ヒラリー・マンテルの『ウルフ・ホール』に至る作品を読みながら、歴史と小説との相補的な関係、および近代文学における歴史小説の意義を考察する。
以下の作品を読む。
Walter Scott, "Waverley" (1814), Charles Dickens, "A Tale of Two Cities" (1859), Virginia Woolf, "Orlando" (1928), Hilary Mantel, "Wolf Hall" (2009).
英語で読むことを推奨するが、いずれも翻訳を入手できるので参照しても構わない。
精読よりも多読を目的とした授業である。毎回受講者による報告を中心に演習形式で授業をおこなう。
授業内では、ルカーチの『歴史小説論』をはじめ、批評文献にも適宜言及する。
初回授業時にガイダンスをおこなう。
授業内での報告と期末レポートをもとに成績を評価する。レポートは8000字程度(引用含む、文献表は含まない)で、授業時に扱った作品を中心に歴史小説に関する見解を論じること。
原書のなかには入手に時間のかかるものもあるようなので、あえて版は指定しない。報告者はそれを踏まえて分かりやすく話すよう工夫すること。