ドイツを代表する詩人ゲーテ(1749-1832)が生きた時代、まだ中央集権的な国家としてのドイツは存在していなかった。彼および少し若いドイツ・ロマン主義の詩人たちはどんな社会制度や文化のなかで、その作品を生み出していったのか。
本講義では、ドイツ語読解力の向上とともに、1800年前後のドイツ文学作品を理解するうえで必須の文化知識の獲得を目標とする。
B.Preisendoerferの近著(総ページ数・約500頁)は10章から構成され、都市生活・旅行・日常生活・衣服・飲食・家族・健康と病など、さまざまなキーワードから、ドイツの詩人ゲーテが活躍した1800年前後のドイツ文化および社会を平易に解説している。受講者の興味のある章を優先しながら、ドイツ語文献講読演習を兼ねて、複数章を読みながら、適宜文学史的解説を加えていく。
演習形式で行う。共通のドイツ語テクストを履修者全員が読解・分析・議論する。
授業への積極性および学期末にはレポートを課す予定。詳細は授業内で説明する。
Bruno Preisendoerfer: "Als Deutschland noch nicht Deutschland war. Reise in die Goethezeit". Berlin (Galiani) 2015.
授業中に適宜紹介する。
ドイツ語原書テクストを徹底して読むので、履修者はドイツ語中級以上の能力を持つ者に限る。毎回、相当量の原文を読み込む予習が必要になるので、それを了解した上での履修が前提条件。履修希望者は初回授業に必ず出席すること。