東京大学大学院総合文化研究科
言語情報科学専攻
Language and Information Sciences, University of Tokyo
折口信夫が残した膨大な著作から、現代の人文学研究に資する内容のものを選抜して精読する。
手始めに折口の卒業論文でもある「言語情調論」を取り上げ、後々展開する着想の未分化な芽を見届けたうえで、受講生の顔ぶれをも睨みながら次回以降のテキストを選ぶ。『古代研究』『日本文学の発生序説』あたりは外せないだろうが、歌人釈迢空としての顔にも目配りすべく、短歌作品や古典・近代短歌史の叙述をも取り扱いたい。
初回は品田が報告し、次回からは受講生が輪番でレポーターを務める。
レポートの出来映えと討論での有意義な発言等、授業に積極的に参加したかどうかを総合的に判断して評価する。
上野誠『魂の古代学』(新潮選書/角川ソフィア文庫)
講読対象とするテキストは全集所収のものを複写またはPDFで配布する。
西村亨編『折口信夫事典』増補版
担当テキストの文中に登場する作品については原典に当たるともに、現在の研究水準ではどう取り扱われているかをも紹介すること。独力で読むだけでは望めないような水準で、細部まで理解が行き届くことを目ざしたい。